映画「はじまりのうた」の感想
映画「はじまりのうた」は単館系作品として、アメリカではなんと5館だけでの上映でした。
しかし、口コミで評判がどんどん広まり、最終的にはなんと1300館で上映され大ヒットしました。
日本でも10館でスタートしたにも関わらず、興行収入1.5億円の大ヒットとなりました。
なぜ、この作品「はじまりのうた」はここまで評判になりヒットしたのか、その魅力と感想を書きたいと思います。
スポンサーリンク
「はじまりのうた」の感想:共感できるような人間ドラマ
この「はじまりのうた」の魅力は、爽やかな人間ドラマです。
「はじまりのうた」では、大きな事件や出来事があるわけではありません。
静かな日常の中で、良質な人間ドラマが丁寧に描かれていきます。
大事件などが起きたことにより、主人公の状況が大きく変わってしまう作品も面白いですが、この「はじまりのうた」の作品のように、主人公が、物語の最初と最後で、ちょっとだけ変化したり成長したりする作品もとても好きです。
毎日の生活の中で、そうそう大事件は起こらないと思います。
しかし、何かしらの出来事は日々起こっていて、それによってちょっとした変化が起こるものです。
主人公グレタも、ダンとのアルバム制作を経て、大きく人生が変わったわけではありません。
しかし、ちょっとだけ成長することができたのです。
このような身近に起こりそうなストーリーに、多くの人が共感できて心地良さを感じたのだと思います。:
「はじまりのうた」の感想:グレタとダンの関係
それから、何より「はじまりのうた」の中でのキーラ・ナイトレイ演じるグレタとマーク・ラファロ演じるダンの関係が、とても良かったですね。
恋人に裏切られて自分の道を見失っていたグレタと、仕事も家族との関係もうまくいかずに人生のどん底にいたダンが偶然出会います。
初めは意見の合わない二人。
でも、音楽の共通点があってアルバム作成という同じ目標に向かって奮闘する中で、徐々に心を開き絆が育っていきます。
グレタとダンがひとつのiPodで互いのプレイリストを聞きながら街を歩くシーン、このシーンも好きです。
この二人は親しくなりかなりいい雰囲気なので、たぶん恋仲になるのかな?と途中でそう思わされるのですが、安易に恋愛関係にならないのです。
恋愛に発展することはありませんでした。
この演出が素晴らしいと思いました。
この映画がグレタとダンの恋愛映画だったら、まったく違うものになってしまったでしょう。
「はじまりのうた」の感想:さえないぼさぼさ頭のおじさん。
それから、キーラ・ナイトレイとアダム・レヴィーンの音楽シーンも良かったけれど、個人的には、さえないおじさん風のマーク・ラファロ演じるダンの風貌が好きだったな〜。
ぼさぼさ頭に、無精髭。
このちょっと汚いおじさんがなんとも味がありました。
仕事はクビになるわ、娘にも妻からも見放され、良いとこなしのおじさん。
さすが「カメレオン俳優」と呼ばれているだけあってマーク・ラファロは、七変化です。
どんな役でも美しいキーラ・ナイトレイと、さえないぼさぼさ頭のマーク・ラファロ。
この二人のアンバランスとも言える組み合わせが良かった。
これが美しいキーラ・ナイトレイと、別のハンサムなイケメン俳優が主人公だったら、この「はじまりのうた」は、ここまで味のある映画になっていかなったと思います。
別れも良かった。
無事にアルバムを作り終えた二人は、ちょっと成長して、またそれぞれの人生に戻っていくのです。
この繊細で上質な人間ドラマが良かったですね。
スポンサーリンク
「はじまりのうた」の感想:音楽の素晴らしさ
そして、やはり何と言っても、この「はじまりのうた」が非常に心地良いのは、音楽の素晴らしさにあります。
キーラ・ナイトレイの癒される歌声、「マルーン5」のアダム・レヴィーン演じるデイヴの迫力あるライブシーン。
周りの人を巻き込みながらのニューヨークの街でのゲリラレコーディングなど、音楽に溢れています。
それは監督ジョン・カーニー自身が、元ミュージシャンであり、音楽にこだわり抜いて作っているからだと思います。
しかも、ただの音楽映画ではなく、そこにしっかりと上質な人間ドラマが盛り込まれているからこそ、素晴らしい作品に仕上がっているのです。
この微妙なバランスが上手いのです。
ジョン・カーニー監督には、まだそれほど多くの作品はありませんが、これからも素晴らしい作品を作ってくれそうですね。
また、ジョン・カーニー監督が描く、音楽と人間ドラマの作品を観てみたいです。
良質な人間ドラマとこだわり抜いた音楽のバランスが絶妙な作品です。
とても心地よく、観終わった後に元気をもらえる素敵な作品です。
映画を見た後に、幸せを感じる・・・って、映画ってやっぱりいいですね。
映画「はじまりのうた」の関連記事
「はじまりのうた」
>>映画「はじまりのうた」のあらすじ!アメリカで公開された時はなんと5つの劇場だけだった!?
>>映画「はじまりのうた」主演のキーラ・ナイトレイは、昔、「スター・ウォーズ」でナタリー・ポートマンの影武者役だった!?
>>映画「はじまりのうた」のアダム・レヴィーン!彼のすばらしい歌声なくしてこの映画の成功はなかった!
>>映画「はじまりのうた」のジョン・カーニー監督は、ロックグループ「The Frames」の初代ベースだった!
関連記事はこちらです♪
スポンサーリンク