映画「鑑定士と顔のない依頼人」の私の感想と評価
「ニュー・シネマ・パラダイス」、「海上のピアニスト」の巨匠ジュゼッペ・トルナトーレによる大人のミステリー「鑑定士と顔のない依頼人」。
良い意味でとても期待を裏切られた作品でした。
1回目、この映画映画「鑑定士と顔のない依頼人」を見た時は、ジェフリー・ラッシュの演技にハマりすぎ、また意外な展開に驚き、伏線を見つけることができませんでした。
でも見終わった後、あれは、こう言う事だったのか?とか、あれは、どうなんだろう?たくさん気になりもう一度鑑賞しました。
すると、しっかり伏線が散りばめられえていました。
こんなわかりやすい伏線に気が付かなかったのかと、ミステリーファンを自称する私としては、恥ずかしくなりました。
で1回目は、ジェフリー・ラッシュと、どんでん返しを堪能し、2回目で謎解きと伏線探しをするといいと思います。
映画「鑑定士と顔のない依頼人」は、1つの映画で2回楽しめる、贅沢な作品だと思います。
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映画「鑑定士と顔のない依頼人」の感想と評価:ジェフリー・ラッシュの演技に引き込まれる
高貴で品のある初老の男性ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)。
天才鑑定士として周りから尊敬を集め、成功者として豪邸で暮らしています。
ビシッと高級スーツを着こなす洗練された紳士です。
ジェフリー・ラッシュのかっこ良さが光ります。
超潔癖症で、いつも手袋をしていてレストランで食事をする時も手袋は外せません。
豪邸のクローゼットには、ずらっと手袋が棚に並べられています。
しかし、華やかな生活の裏側には別の顔も持っていました。
女性に対して嫌悪感があり直接女性と付き合ったことはありません。
その代わりに、隠し部屋にたくさんの女性の肖像画を飾り、その中に座って過ごすのが至福という変人でもありました。
また、相棒のビリーと共謀し、自分のオークションから不正に高価な絵画を手に入れていました。
まずは、このヴァージルのキャラクターに惹かれました。
かっこいい、しかし変人的な要素もあるキャラクターは大好きです。
現実においては嫌ですが、映画の中では、このようなちょっと変人的なキャラクターが出てくるとわくわくします。
ジェフリー・ラッシュが「クイルズ」(2000年)で怪演したサド侯爵を思い起こさせるような変人ぶりです。
複雑な性格だからこそ出る微妙な表情や行動に目が離せなくなります。
映画「鑑定士と顔のない依頼人」の感想と評価:恋をするヴァージル
そしてこんな変人の中年男性が、ある女性に出会ったことで、はじめて恋を経験します。
今までずっと心を閉ざしてきたヴァージルは、クレア(シルヴィア・フォークス)という謎の女性に心を奪われます。
少年のように恋をするキラキラ感、高揚感は、観ていて心が温まります。
行方不明になったクレアを追っていたために、競売の予定を忘れてしまい、慌てて会場に駆けつけるシーンがあります。
いつもなら、身なりを整えて人々の前に立つ彼ですが、この時の彼は頭はボサボサ、服装も乱れています。
そして、ミスを連発し皆に大笑いされます。
今までの彼ヴァージルなら、立ち直れないほど落ち込んだことでしょう。
しかし恋する彼にとって、そんなことはどうでも良いのです。
もう彼女以外のことは考えられないのです。
今まで、孤独だったヴァージルは今まで想像したこともないような幸せに包まれているのです。
この時点では、偏屈じいさんと若く美しい女性のちょっと変わった恋愛ストーリーが展開されるのかなと思っていました。
ジェフリー・ラッシュの、初めての恋にきらめきながら、どこか哀愁の漂う演技に見入ってしまいました。
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映画「鑑定士と顔のない依頼人」の感想と評価:明かされる真相
恋するヴァージルに対し、クレアもやがて心を許し、意外とあっさり二人は結ばれます。
一瞬、この映画って、サスペンスではなくって、ラブストーリーで老いらくの恋がテーマなの?と思いました。
でも、このあたりから、ちょっと嫌な予感がしてきました。
極度の対人恐怖症だったはずのクレアは意外と簡単に外に出てくるし、すぐにヴァージルと相思相愛になっていくのは、ちょっと不自然な気が…。
そう思った時には、既に真実が明らかになりました。
結婚を機会に、引退を決意しヴァージルは、最後のオークションで様々な人たちから祝福されます。
そして帰国して自宅に戻っヴァージルは愕然とします!
ヴァージル所有の秘密の肖像画たちが残らず消えていたのです。
そして、クレアも一緒に姿を消していました。
たった一つ残されていた肖像画がありましたが、裏には「親愛と感謝をこめて」とビリー(ドナルド・サザーランド)の署名がありました。
ロバートの店ももう誰もいなくなっていました。
ここで、やっと一連の出来事は、首謀者ビリーや仲間たちによって仕組まれたことだったと気が付きました。
そんなサスペンス要素があるとは全く思っていなかったので、あらゆる伏線を見逃していました。
これには参りました。
ミステリーファンの私、だいたいの結末は、推理できる!と自称していたので、やられた!と思いました。
オートマの部分なぜ、都合良く屋敷に落ちていたのか、機械職人のロバート(ジム・スタージェス)は、なぜあんなにヴァージルの恋を後押ししたのか。
それらは全てヴァージルを騙すための作戦だったのです。
あまりにもジェフリー・ラッシュの演技の深さが素晴らしく引き込まれ過ぎたこと、二人の恋愛の行方が気になりすぎたことにより、このような伏線に気付きませんでした。
ロバートが、好青年すぎたのも見抜けなかった原因の1つにあるでしょうね。
これが、監督が仕掛けた作戦だったのかもしれませんね。
首謀者であるドナルド・サザーランド演じるビリーに関しては、「やはりジャック・バウアーに似ているな」くらいにしか思っていませんでした。
彼が全て操っていたことだったとは予想もしていませんでした。
映画「鑑定士と顔のない依頼人」、とても好きな映画でした。
ただ、あえて一つだけ私の不満を言うとしたら、それはクレアの女優さんシルヴィア・フークス。
1983年6月1日生まれ、オランダ出身です。
映画「ブレードランナー2049」にも出演しています。
女優さんの好き好きは好みにもよると思いますが、私、個人的にはシルヴィア・フークスは確かに美しいけれど、ミステリアス感が少なかったと思うのです。
じゃあ、どの女優さんならクレアの役にぴったりか?ぱっと浮かばないのですが、もっとミステリアスで憂いを帯びた女優さんだったら、この映画、もっといいのでは?と思いました。
しかし、映画「鑑定士と顔のない依頼人」は、ミステリーファンの私を参らせた映画で、絶対に、ミステリーファンであれば、2回観たくなる映画です。
映画「鑑定士と顔のない依頼人」は、ドラマ要素とミステリー要素のあるとても見ごたえにある作品でした。
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秋の夜にゆっくり見るのにぴったりな作品ですね。
映画「鑑定士と顔のない依頼人」の私の感想と評価でした。
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