映画「華麗なるギャツビー」の感想
映画「華麗なるギャツビー」の原作は、「アメリカ文学界最高峰」とも言われるスコット・フィッツジェラルドの作品です。
原作はThe Great Gatsby。
スポンサーリンク
作家の村上春樹も、スコット・フィッツジェラルのファンで、彼を小説家として目標のひとつとしてきたと言っています。
そして、この「The Great Gatsby」は、村上春樹にとって、人生で巡り合った最も大切な小説だからと、長い時間をかけて翻訳し、出版されています。
あの村上春樹が「人生で巡り合った最も大切な小説」と公言し、そして衝撃的だった「ロミオ+ジュリエット」の監督バズ・ラーマン作品ということで楽しみにしていた作品でした。
しかも、主演が「ロミオ+ジュリエット」のレオナルド・ディカプリオに、プライベートでも彼の親友というトビー・マグワイアの共演ということで、わくわくして観ました。
バズ・ラーマン作品としては、それほど高い評価を得ていないようですが、私は十分楽しむことができました。
デカプリオがとにかく良かった!
「華麗なるギャツビー」の感想:バズ・ラーマンの世界を堪能
バズ・ラーマン作品の「ロミオ+ジュリエット」「ムーランルージュ」「オーストラリア」は実在する場所や街を描いているのですが、どこかおとぎの国のような空想的な雰囲気があります。
「華麗なるギャツビー」も1920年代のニューヨークが舞台なのですが、不思議の国のようなファンタジー要素が感じられました。
好景気に沸く華やかな当時のアメリカの様子を描いていて、華やかであればあるほど空虚さも感じられる、不思議な感覚でした。
バズ・ラーマンの描く世界は、ルールがありません。
1920年代だから必ず当時の流行ファッションを忠実に再現しなければいけない、当時の音楽を使わなければいけないというようなルールがないのです。
実際にあった場所や時代を彼なりのやり方で描くからこそ興味深く魅力ある映像に仕上がるのです。
「華麗なるギャツビー」では、ジェイ-Z、ビヨンセなど豪華すぎるアーティストの音楽が使われていることでも話題になりました。
1920年代と最新ミュージックが見事に融合しています。
また、華やかなファッションにも注目です。
「プラダ」や「ミュウミュウ」が衣装提供を、「ティファニー」がジュエリー提供をしています。
ファッションの面でも1920年代の流行と最新ファッションがうまくミックスされています。
きらびやかな衣装にはうっとりさせられっぱなしでした。
「華麗なるギャツビー」の感想:ディカプリオがはまり役
難しい役をこなすことで有名なレオナルド・ディカプリオ。
「華麗なるギャツビー」のギャツビー役は、王道のかっこいい役でした。
堂々とした表情、洗練された身のこなし、いつもビシッと決まった髪型とスーツ。
女性を魅了する要素が満載のキャラクターです。
個人的に、久々にかっこいいディカプリオを見れて大満足でした。
あんなキザでかっこいいキャラクターは、デカプリオじゃないとできないように思います。
しかし、やはりディカプリオが選んだキャラクターだけあって、ただのかっこいい紳士だけでは終わらないキャラクターでした。
実は貧しい庶民だったという過去がありました。
周囲にそれを悟られないために、必要以上にわざとらしいくらい紳士的にふるまっていたのです。
服装も立ち振る舞いも、本当の名家の紳士以上に紳士的に見えたのはそのためだったのですね。
そんな彼の取り繕ってきたものが剥がれ落ちてしまうシーンがあります。
自分と一緒になってくれないデイジーと、自分に疑いをかけるトムに怒りを感じて、ついにトムに襲い掛かってしまいます。
その姿に紳士的な面影はなく、野蛮な人殺しのようでした。
このディカプリオの演技が良かったですね。
物語が変化していくきっかけのシーンでもあったのでインパクトがありました。
スポンサーリンク
「華麗なるギャツビー」の感想:デイジーの存在とは
「華麗なるギャツビー」は面白い作品だったのですが、どうしても引っかかったのが、デイジーの存在でした。
これまでのバズ・ラーマン作品を振り返ってみると「ロミオ+ジュリエット」ではクレア・デインズ演じるジュリエット、「ムーランルージュ」ではニコール・キッドマン演じるサティーン、「オーストラリア」では同じくニコール・キッドマン演じるサラという芯の強い女性がヒロインでした。
「華麗なるギャツビー」のデイジーもきっと強い自分の意見を持った女性なんだろうと思って観ていたのですが、徐々にふわふわっとした女性ということがわかってきます。
見た目は非常に美しく男性にとっては夢のような女性です。
しかし、今までのバズ・ラーマンの描く芯の強い美しさはありませんでした。
これがちょっと残念なところでした。
ギャツビーがトムにキレて、本省を表す場面があります。
このギャツビーを見て、デイジーはどう出るかと思って観ていたのですが、やはりすっかり引いていました。
デイジーはギャツビーの表面しか見ていなかったように思います。
最終的にはひき逃げした自分の罪を隠したまま、あまり好きではない夫とコソコソ逃げるように旅に出ます。
ギャツビーへ思いやりに欠けた行動です。
ギャツビーを崇拝するニックの目線で物語が進んでいることもあるので、なおさらデイジーに薄情さが際立って見えるのだと思いますが、ちょっと理解に苦しむキャラクターではありました。
ギャツビーにとって、デイジーは心から信用し合って苦楽を共にするパートナーではなかったのだと思います。
豪華絢爛の見せかけの暮らしの一部だったのでしょう。
デイジーは美しく可憐な花のような存在だったのです。
以上、「華麗なるギャツビー」の感想でした。
「ロミオ+ジュリエット」や「ムーランルージュ」のような感激は少なかったですが、完成度の高いバズ・ラーマン作品だったと思います。
しかしながら、デイジーというキャラクターにあまり感情移入出来なかったですね。
このデイジーの描かれ方が違ったら、私の中での映画「華麗なるギャツビー」の評価はもっと高くなっていたと思います。
原作の「The Great Gatsby」では、このデイジーがどんな風に描かれているのか?とても気になります。
映画は、原作に忠実だったのか?それとも、バズ・ラーマンが、あんな風にデイジーを描きたかったのか?
村上春樹さんの翻訳も、気になるので、原作を読んでみたいと思いました。
関連記事
「華麗なるギャツビー」
>>映画「華麗なるギャツビー」のあらすじ!レオナルド・ディカプリオが、謎の大富豪ギャツビーを熱演!
>>レオナルド・ディカプリオの若い頃!子役から大スターへ!デカプリオの演じるキャラクター
>>ド派手演出で知られるバズ・ラーマン監督の魅力が映画「華麗なるギャツビー」で炸裂!
>>トビー・マグワイア!レオナルド・ディカプリオとは親友!子役から「タイタニック」と「スパイダーマン」で大スターに!
関連記事はこちらです♪
スポンサーリンク