映画「ブレードランナー2049」を見た私の感想と評価
SF映画の金字塔とされている「ブレードランナー」の続編ということで、大きな話題となった「ブレードランナー2049」。
期待の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴがどう作り上げるのかも楽しみでした。
私の評価は100点中80点です。
減点要素は、ハリソン・フォードの出演が少なかったことです。
もっとデッカードの活躍が見られると期待していたので残念でした。
・・・とは言え、壮大な世界観に圧倒されて、あっという間の2時間44分でした。
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映画「ブレードランナー2049」を見た感想:世界観に呑み込まれる
荒廃した大地が無限に広がる中に、人工栽培している農場が映し出されます。
そして不穏に響き渡る重低音。
この冒頭シーンで、ふっと「ブレードランナー2049」の世界に引き込まれました。
そして、物語が進むにつれて、引き込まれるというか呑み込まれるような感覚になりました。
アクションシーンはありますが、ドタバタな演出はありません。
静かなシーンが多く、物語はとてもゆっくり進みます。
1つのシーンがとても長く丁寧に描かれていました。
環境破壊が進み、荒廃した大地や廃墟の風景。そして東京の歓楽街と未来都市が合わさったような異様な夜の街。
「ブレードランナー」的近未来の映像がスクリーンいっぱいに広がります。
私は、ずっと先の未来を描いた作品よりも、近未来の作品の方が好きです。
予想もつかないような未来ではなく、起きるかもしれないような未来の方が、ワクワクしたり、恐ろしさを感じたりしますね。
ホログラムの使い方も良かったです。
Kの人工知能の恋人であるジョイ
もホログラムで登場するのですが、Kが触れることのできない切なさや、体を持つことができないジョイの悲しみが痛いほど伝わってきました。
また、街の中に浮かぶ巨大なホログラムの女性の広告なども印象的でした。
廃墟となったラスベガスのホテルの中で繰り広げられるホログラムによるショーのシーンも近未来らしくて良かったですね。
また、日本の歓楽街のような街でKが食事をするシーンがあるのですが、和食のようなお弁当がありました。
しかもしっかり沢庵漬けが入っていましたよ。
ちょこちょこ出てくる日本的な演出も興味深かったです。
映画「ブレードランナー2049」を見た感想:「ブレードランナー」の世界観に従って観る
「ブレードランナー2049」は賛否両論ある作品だと思います。
まずは、SFが好きか?嫌いか?でしょう。
SFファンの人がこの世界観に入り込めれば、すごく面白いと思います。
しかし、SFそのものが好きでなく、この世界観が理解できないと感じてしまった方にとっては、長い2時間44分になったかもしれません。
楽しむためには、とにかく「ブレードランナー」の世界に入ってそのルールに従って観ることだと思います。
レプリカントは、撃たれて痛みを感じることもあれば、麻酔などしなくても平気で傷口を自分でつなぎ合わせることもあります。
人間に従順であるはずのレプリカントは、人間を殺害することもあります。
あれ?と矛盾を感じるところもたまにあるのですが、そのようなことを細かく考えてはいけません。
「ブレードランナー」のルールに従って入り込めば良いのです。
でも、そもそも主人公Kが人間ではない時点で、感情移入することは難しいです。
自分の感情と置き換えて観るのではなく、Kというキャラクターをそのまま感じれば良いのだと思います。
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映画「ブレードランナー2049」を見た感想:Kの自分探しの物語
「ブレードランナー2049」の中心となるのは、Kの自分探しです。
レプリカントとして、ただ人間の命令のままに汚れ仕事をさせられているK。
淡々と旧型レプリカントの「解任」つまりレプリカント殺害を遂行する毎日の彼には、希望はありませんでした。
ライアン・ゴズリングの無表情の中にある切なさが良かったですね。
ライアン・ゴズリングは哀愁のある切ないキャラクターが似合うと思います。
そんなKが、レイチェルの存在を知ったことから、もしかしたら自分はただの製造されたレプリカントではなく、父と母の愛情から生まれたのかもしれないという希望を抱き始めます。
自分は特別な存在だと思うのです。
しかし、その希望は完全に打ち砕かれてしまいます。
本当の奇跡の子供はアナ博士であり、自分はアナ博士を守るためにカモフラージュとして作られたレプリカントであると知らされるのです。
一度は希望の光を掴みかけたところで、絶望の底へ突き落されました。
しかし、Kは自暴自棄になることはありませんでした。
そして全くの他人であるデッカードを助けて娘と再会させようと命をかけて戦うのです。
レプリカント解放運動のリーダーが言った「大儀のために死ぬことこそ、まさに人間らしい」という言葉を胸に。
無事にデッカードを助けたKは、デッカードに娘に会いに行くように話します。
その時、デッカードに初めて微笑みかけたKの表情がとても印象的でした。
そして、ラストシーンで力尽きるKの表情には、とても穏やかさがありました。
感情のないレプリカントから、人間的な心を手に入れた存在になれたのです。
これこそがKの求めていたものだったのだと思います。これがKのハッピーエンドだったのだと思います。
この非常に難しいキャラクターを見事に演じ切ったライアン・ゴズリングはさすがでしたね。
映画「ブレードランナー2049」を見た感想:もっとデッカードを見たかった
世界観もライアン・ゴズリングも素晴らしかったのですが、個人的にとても残念だったのが、ハリソン・フォード活躍が少なかったことです。
勝手にライアン・ゴズリングとコンビを組んで活躍するようなイメージを持っていたので、デッカードの見せ場が少なかったように感じました。
デッカードが登場してからは、Kの存在が少し薄れるほどハリソン・フォードの存在感はすごいなと思いましたが、どうしても引退したおじいちゃんの感じが出ていたように思います。
しかし、色々な謎が残っているので、続編が期待できるようなラストでした。
ぜひ、またハリソン・フォードが出演してかっこいい姿を見ることができると信じています。
「スターウォーズ」のような派手なSF映画を期待していた方にとっては、違和感がある作品だったかもしれません。
しかし、じっくり味わうことができる面白い作品だと思います。
この「ブレードランナー2049」は、絶対に映画館で観たい作品ですね。
テレビの画面で見たら、面白さが半減するかもしれません。
映画館に行ってよかったです!
では、映画「ブレードランナー2049」のハリソン・フォードについて見てみましょう!
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