映画「オリエント急行殺人事件」の感想と評価
映画「オリエント急行殺人事件」は、ものすごく豪華なキャストが集結する作品ということで、その俳優たち目当てで映画館へ行ってきました。
俳優たちの迫力ある演技とミステリー、そしてアクションシーンも楽しめる一級サスペンスでした。
私の感想は100点中88点です。
ネタバレ内容を含んでおりますので、まだ「オリエント急行殺人事件」を観ていない方はぜひ鑑賞後に読んでくださいね。
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映画「オリエント急行殺人事件」の感想:犯人捜しの面白さとは
アガサ・クリスティーの不朽名作「オリエント急行殺人事件」は世界中で何度もリメイクされてきた作品です。
私も何度か観たことがあったので、ミステリーのオチはわかっていました。
しかし、もしかしたら原作とは違う結末なのかも…と思いながら、敢えて予備知識を持たずに鑑賞しました。
やはり犯人は原作と同じでしたが、それでも十分にミステリーを楽しむことができました。
犯人捜しのミステリー作品には2通りのパターンがあると思います。
1つ目は、犯人が最後の最後までわからずに観客はひたすら犯人捜しに没頭する作品です。
ほとんどがこのパターンですよね。
2つ目は、最初から観客は犯人が分かっていて、その犯人が追い詰められる様が描かれた作品です。ちょっと古いですが「古畑任三郎」はこのパターンですよね。
この場合、犯人捜しの楽しさはありませんが、その代わりにじっくりと人間ドラマや複雑トリックなどを楽しむことができます。
犯人がわからないと、どうしても犯人捜しにばかり気を取られてしまい、じっくり映画を楽しめない場合もありますよね。
「オリエント急行殺人事件」の犯人は大体想像がつきましたが、犯人がわかっている分、ポアロとのやり取りや巧妙なトリックなどを考えながら観ることができたので面白かったですね。
映画「オリエント急行殺人事件」の感想:キャラクターの濃さ
「オリエント急行殺人事件」のキャストは非常に豪華なのですが、どのキャラクターもインパクトがありました。
やたら色気を放つ未亡人や、全ての物事を宗教的に考える宣教師、嫌味なほどインテリぶる教授など、舞台を見ているように、わざとらしいほどのキャラクターの濃さを感じました。
そして終盤になり、このキャラクターの濃さの原因がわかりました。
全ての人物は、それぞれの偽りのキャラクターを演じていたのです。
ラチェットとの関係がバレないように、別の人物に成りすまして演技をしていたのです。
ポアロが事件の全貌を解明した時、全ての人物は他人のフリをすることをやめて素の自分に戻りました。この時の彼らの演技が印象的でしたね。
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映画「オリエント急行殺人事件」の感想と評価:感動のラスト
ミステリー作品で好きなところは、ラストに思わぬ感動が待っているところです。
事件の真相が明らかになる中で、犯人側に辛い苦悩や過去があることが多いですよね。
1話完結の犯罪ドラマにはよくあるパターンです。
「オリエント急行殺人事件」のラストもかなり泣かされる内容でした。
少女の祖母であるハバードの不幸は想像を絶するものでした。
そして全ての乗客の苦悩にも胸を打たれました。
映画館の中では、泣いている声も聞こえました。
ハバード演じるミシェル・ファイファーの熱演が光っていましたね。
初めはセクシーな未病人というキャラクターだったのですが、それは全て復讐のための演技だったのです。
苦悩を抱える祖母という本当の姿に戻った時のミシェル・ファイファーの表情が素晴らしかったですね。
主演とともに監督を務めるケネス・ブラナーは、何度もリメイクされている「オリエント急行殺人事件」を作るにあたり、この感情的な盛り上がりを見せることで、今までとは違う作品にしたかったと語っていました。
ただ犯人捜しをするだけではない、奥深さがありました。
映画「オリエント急行殺人事件」の感想:オリエント急行の迫力
「オリエント急行殺人事件」の魅力は豪華すぎる15人のキャストです。
しかし、もうひとつ豪華な主役がいます。それは「オリエント急行」です。
贅沢を極めた超豪華列車です。
高級な料理におしゃれなバー、活気と華やかさがあり、ただの移動手段ではなくエンターテイメントのような列車です。
そしてとにかく迫力があります。
空高く煙を出しながら堂々と走る姿が非常にかっこよかったです。
「オリエント急行殺人事件」は、電車好きの方にはたらないですね。
雪崩のため脱線するシーンは、大作アクション映画のような大迫力でした。
ちょうど先日SLやまぐち号に乗る機会がありました。
社内が全てレトロな内装にリニューアルされていて、まさにオリエント急行の時代のようなレトロさが出ていました。
物凄い音と黒煙の量に圧倒されました。
やはり蒸気機関車には特別な魅力がありますね。
映画の中心にいて盛り上げる役割を果たしていたと思います。
名作ミステリーのリメイクということで、犯人がわかっているから見たいと思わない…という方もいるかもしれません。
しかし「オリエント急行殺人事件」は、犯人捜し以外にも魅力が詰まった作品でした。
真冬の雪の中を走るオリエント急行は、冬にぴったりの作品でもありますね。
では、次の記事は、映画「オリエント急行殺人事件」の監督でもありポアロを演じたケネス・ブラナーについてです。
>>演劇界での超エリート「ケニス・プラナー」!ケニス・プラナーと言えばアガサ・クリスティ!になって欲しいな。
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