映画「ゴールド/金塊の行方」のあらすじと感想
2016年公開の「ゴールド/金塊の行方」。
1990年代に実際に起きた詐欺事件を映画化したサスペンス映画です。原題はGoldです。
170億ドル分もの黄金がなんと一夜にして消えてしまったという大事件に株式市場は大混乱になりました。
主演マシュー・マコノヒーが役作りのために大幅に体重を増やし、ハゲ頭で挑んだ話題作です。驚愕のラストに注目のサスペンスドラマです。
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「ゴールド/金塊の行方」のあらすじ:倒産の危機を救うためインドネシアへ
主人公のマシュー・マコノヒ演じるケニーは、祖父の代から続いている鉱山発掘会社ワショー社を引き継いだのですが、思うような経営ができずに破産の危機を迎えていました。
ある日浴びるようにお酒を飲んで寝てしまったケニーは、ある夢を見ます。
それはインドネシアに金脈があるという夢でした。
ケニーはこの夢を信じて実際にインドネシアへ行くことを決めます。
身の回りの貴金属を売り払い飛行機代にして、インドネシアに飛び立ちました。
「ゴールド/金塊の行方」のあらすじ:マイケルと金脈探しをはじめるケニー
インドネシアに着いたケニーは、地質学者のエドガー・ラミレスが演じるマイケル・アコスタという人物を訪ねます。
マイケルは過去に世界最大の鉱山を発見したことがあったのですが、今はすっかり落ちぶれていました。
マイケルの理論に絶対的な信頼をよせるケニーは、一緒に金脈探しをしてほしいと依頼します。
初めは断るケニーですが、マイケルの強引さに負けて協力することになります。
その場にあった紙ナプキンを契約書替わりにして、2人は契約を結ぶのでした。
ケニーはアメリカに戻り資金集めを行います。
そして再びインドネシアに戻ったケニーは、現地労働者たちを雇い、マイケルと金脈探しを始めました。
しかしなかなか作業は進まず、すぐに資金はなくなり、待遇に不満を感じた現地労働者たちも去ってしまいました。
さらに不運が続き、ケニーはマラリアかかってしまい生死の境をさまよいます。
マイケルはケニーにアメリカに帰るように言いますが、ケニーは諦めません。
全ての財産を使って労働者たちを呼び戻し、マイケルに金脈探しを続けるように言います。
「ゴールド/金塊の行方」のあらすじ:金脈を見つけたマイケル
何日も寝込んでいたケニーはやっと目を覚ますと、マイケルはケニーに金鉱を掘り当てたことを告げます。
「ついにやった!」と興奮する2人。
そして、ニューヨークの大手銀行から20億ドルという巨額の投資を受けることになります。
ワショー社はニューヨーク証券取引所に上場することになります。
そして、その年一番の注目株となります。
ケニーは恋人のケイをニューヨークに呼び寄せて、豪華なパーティーを楽しもうとしますが、ケイはお金のためだけにケニーに群がってくる人々にうんざりして帰ってしまいます。
その後、ケニーは巨大鉱山会社の重役であるマーク・ハンコックと知り合い、インドネシアの鉱山事業を300億ドルで買い取ると持ち掛けられます。
しかし、ワショー社の名前を抜かれることに激怒したケニーは、断固契約を断りました。
「ゴールド/金塊の行方」のあらすじ:インドネシア大統領の息子と契約するケニー
その後、インドネシアで発掘作業をしていたマイケルのところへ、インドネシア政府による軍隊がやってきて、全て没収されてしまいます。
マークがコネを使ってインドネシア政府を動かしていたのです。
マークに対抗することができないと打ちのめされたケニーは絶望のどん底に突き落とされてしまいます。
そんなケニーのもとへ、インドネシアからマイケルが戻ってきます。
すっかり諦めてしまったケニーに対して、マイケルはインドネシア大統領の息子に取り入る計画を持ち掛けます。
ケニーとマイケルは大統領の息子に会いに行きます。大統領の息子はすぐに2人を気に入るのですが、手を結ぶ前にある条件を出します。
ケニーにどれほど度胸があるか見るために、ペットのトラの頭に触るように言ったのです。
ケニーは見事トラの額に触れます。ケニーの勇気に満足した大統領の息子は、ワショー社の危機を救います。
「ゴールド/金塊の行方」のあらすじ:最高の名誉を手にするケニー
ケニーはゴールデンピックアックス賞という、その年の最も優れた探鉱者に贈られる賞を受賞することになります。
マイケルとともに授賞式に出席し、感動的なスピーチをします。
スピーチをしながらケニーはマイケルを見つめます。
マイケルはそっと会場を出るのでした。そしてその後、マイケルは姿を消してしまいます。
<------ここからネタバレ記事あり------>
「ゴールド/金塊の行方」のあらすじ:マイケルの詐欺が発覚する
次の日、ケニーのもとにとんでもないニュースが舞い込んできます。
170億ドルの価値があるとされていた金脈は、マイケルが捏造したものだというのです。
もともと金脈はなく、マイケルが金を仕込んでいたということが発覚したのです。
ワショー社の株は大暴落し、投資家たちはケニーを非難します。
ケニーはこの巨大な詐欺事件の共謀者なのか、騙された被害者なのか、世間の注目が集まりました。
ワショー社は破産し、ケニーは全てを失いました。
FBIから取り調べを受け、マイケルは株を売り1億6400万ドルも手に入れていたことを聞かされます。
そして、その後インドネシア軍に捕まりヘリコプターで移動している時に、飛び降り自殺をしたというのです。
ジャングルの中で発見された遺体は動物たちに一部を食べられていて、顔は判別できなかったのです。
ケニーはマイケルが自殺するわけがないと信じませんでした。
その後、ケニーは別れた恋人ケイの家を訪ねました。
ケイはマイケルから預かった手紙をケニーに渡します。
その中には、以前ケニーとマイケルが契約を交わした時の紙ナプキンと、700万ドルの小切手が入っていたのでした。
紙ナプキンには「儲けを半分ずつ取ろう」という字が書かれていました。
ケニーはこれを見て笑みを浮かべるのでした。
<------ここまでネタバレ記事------>
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「ゴールド/金塊の行方」の感想
演技派俳優として大注目のマシュー・マコノヒーの怪演が見られるということで楽しみにしていた「ゴールド/金塊の行方」。
マシュー・マコノヒーの容姿と演技に釘付けになりながら、あっという間の上映時間でした。
マシュー・マコノヒに関しては、この記事も書いています。
>>マシュー・マコノヒー!ガリガリになったり太ったり徹底した役作りがすごい!
そして何とも言えないラストに驚きました。
評価をつけるのが非常に難しい作品です。
「ゴールド/金塊の行方」の感想:マシュー・マコノヒーの姿にびっくり
この映画を語る上で欠かせないのが、マシュー・マコノヒーの外見です。
「ダラス・バイヤーズクラブ」では21キロも減量して、余命僅かのHIV患者を演じました。
そして今回は、この映画のためになんと23キロも増量したのです。
毎日とにかく食べたいもの食べまくって増量したというマシュー・マコノヒーのお腹はボテッとして見事にだらしない体型になっていました。
それだけでもかなり衝撃的な姿なのですが、さらに髪を剃ってハゲ頭になり、前歯もガタガタのみっともない姿になっています。
かつてはラブコメキングとしてかっこいい姿ばかりのイメージでしたが、最近は演じる役によって本当に容姿が変化していますね。
今回も俳優魂が感じられましたね。
「ゴールド/金塊の行方」の感想:実話をもとにした映画
この映画は実話をもとに描かれています。
実際にインドネシアでは1980年代にたくさんの金鉱が発見されていました。
その中で起こった最大の捏造事件「Bre-X事件」がモデルになっています。
「170億ドルの金塊が一晩で消えた⁉」というのがこの映画のキャッチコピーです。
私はこれを見て、「グランド・イリュージョン」のように大量の金が消えるのか、「オーシャンズ11」のように金が鮮やかに盗まれるのか、と予想していました。
しかし、実際は少し違いましたね。
170億ドルもの価値があるとされた金塊が、もともとなかったという事実だったのです。
マイケルが掘り当てたという金塊は、マイケルが仕込んだものだったのです。
これが本当にあった話というのはちょっと信じられないですね。
どうしてこれだけの大きな嘘に、周りの人々は気が付かなかったのでしょうか。
その答えを探して注意深く映画を見てみると、ケニーの話の中に「なるほど」と思うシーンがありました。
事件が発覚した後、FBIの追及を受けるケニーは「人は大金が入ってくると他のことを疑わなくなる」と話していました。
マイケルが次から次へと金脈を探し当て、その度におもしろいように大金が舞い込んできます。
それに歓喜するワショー社の人々や投資家たち。
そのような状況の中で「まさかマイケルが金を仕込んでいるのでは?」と思う人はいないでしょう。
「小説は事実より奇なり」と言いますが、まさにそのようなお話でした。
「ゴールド/金塊の行方」の感想:ラストの笑みの意味
この映画は、男同士の友情や、仕事への熱意、信念、ビジネスの恐さなど、様々なテーマが描かれていました。
しかし、ラストのケニーの「笑み」に全て持っていかれてしまった感じがあり、何ともスッキリしない終わり方でした。
このように観客にラストの解釈を委ねられる作品は結構好きなのですが、あまりにもラスト数秒にどんでん返しがあり、驚いた時にはエンドロールになっている…という感じでした。
果たして、ケニーはマイケルに騙されていたのでしょうか、共犯だったのでしょうか。
これは観る方によって解釈が変わってくると思います。
私は正直答えを出すことができませんでした。
しかし、敢えて答えを出すとすると「中間」だと思います。
ケニーはマイケルの詐欺に薄々気が付いていたのではないでしょうか。
しかし見て見ぬふりをしていたように思います。
ケニーは授賞式のスピーチで「探鉱者とは信じるもの。そこにあると信じる」と熱く語っています。
これがヒントではないでしょうか。
疑わしく思っていても突き進むしかなかったのだと思いました。
それでは、マイケルはどうして詐欺をしようと思ったのでしょうか。
それは、マラリアにかかり命を危険にしながらも、金脈発見を諦めようとしないケニーの姿を見た時だと思います。
2人は金脈探しを通して強い絆が生まれていました。ケニーの気持ちに応えたい一心で嘘をついたのだと思います。
そして、最後には儲けを山分けにしたのです。
また、実際に金が出てくるシーンがなかったのも伏線だったように感じます。
これだけ金が発見されて歓喜しているのに、実際に光り輝く金が映し出されることはありませんでした。
その他にも再度観返すと、色々なところに伏線がちりばめられていそうですね。
マシュー・マコノヒーの外見のインパクト、そしてラストのインパクトが強すぎて、本編の記憶が薄れてしまいそうな作品でした。
スピード感のあるストーリー、マシュー・マコノヒーの怪演が素晴らしかったのは確かです。
しかし、あまりにもラストがスッキリしなかったので、良くも悪くも後味の悪い映画でした。
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